1学期は主に基礎力の確認と確立を目標とした課題をしっかりと制作して様々なことを学びます。これから絵を始めようとしている人はもちろん、経験者であっても初心にかえって基本を見直し身につけていくことは来春に合格するための大切なステップです。
◇基礎的な課題とは?
単純に「モチーフをよく見て描く」という課題です。石膏像、静物、人物、風景、手渡されたモチーフなどを観察してデッサンや油彩でしっかりと描写します。このような課題を数多く制作することで優れた技術を習得し、多くの発見を体験するのです。そして、当たり前ともいえる「モチーフを観察した結果、作品が生み出される」という基本を身につけるのです。
◇基礎の大切さ
近年の入試の評価基準は、いろいろな可能性を見いだそうとする傾向にあり一面的な上手さ比べではありません。実際に合格する作品は多種多様です。だからこそ、基礎をしっかりと身につけて自分が表現したいことを明確に描ける力が大切なのです。実際に合格している作品は非常にシンプルで分かりやすく、基本的なことがしっかりと出来ているのです。
1学期と夏期講習会を経て、自分の良いところ・欠点・現時点の実力などが見えてきます。2学期は欠点や自分に足りない部分を克服し、良いところをどんどん伸ばし、実践的な力を養っていきます。ひとりひとりの個性を引き出して入試レベルで通用する表現を確立していきます。
◇応用的な課題とは?(構成・想定課題)
モチーフをよく見て描くだけでなく他の要素と組み合わせて描く課題です。あるいはモチーフは与えられずに全て想像で描くこともあります。また、別の場所で取材(スケッチ)してきたことに基づいて描く課題などもあります。基本がしっかり身についていればそれほど難しいことではありません。発想力や自分の世界観がダイレクトに作品に反映されるので「能動的に行動する力」が大切になってきます。
◇実践的な課題とは?
実際の試験で出題される課題内容と時間で制作します。単なる入試直前の傾向と対策ではなく、夏期講習会以降このような課題を制作する機会が増えてきます。入試の評価基準での自分の実力を知り長所を伸ばし欠点を克服していきます。 冬期講習会や入試直前では、志望校の出題傾向や意図を分析し理解を深めることと時間対応を確認していきます。
●美術研修旅行---「自然から学ぼう!」
美術研修旅行は5月中旬に2泊3日で行われます。日常から離れた大自然の中で制作します。友人や講師との親睦も深まり情報や意見交換の場ともなっています。
◇屋外実習(風景/取材)
現場で制作する場合と取材(スケッチ)してきたものに基づきアトリエで制作する場合の2パターンあります。アトリエとは違ったモチーフや空間を自分で発見します。
◇実材実習講座 --- 伝統や技法から学ぶ。
テンペラや版画など通常とは違う素材や技法により絵画を学びます。
◇夜間強化講座 --- たくさん描く、上達する。
夜間部の時間帯に希望者で夜間強化講座を無料で行っています。頭で理解していても実際には描けないことがあります。考えていても描けるようにはなりません。 夜間特訓でたくさん描くことで描けるようになります。
■油画科の学科
油画科は各大学とも実技に比重がありますが、私立の美大の場合は実技300点、学科200点の合計で決まることがはっきりしていて、ある程度の得点がなければ合格はありません。ふな美では年間に数回の学科テストを行っています。実力チェックしましょう。自分で勉強ができない人は学科の授業を受けることをお勧めします。美大受験に必要な学科力を確実につけてくれます。